H26年度集中講義

神野達夫非常勤講師(九州大学教授)による集中講義を開講しました。

日時:
平成26年11月20日(木)13:30〜15:00、15:15〜16:45
平成26年11月21日(金)9:30〜12:00
場所:京都大学宇治キャンパス本館 S-519D室

講師:九州大学大学院人間環境学研究院都市・建築学部門  神野達夫 教授

内容:

1月20日『強震動予測を支える観測とそのデータの活用』

地震被害想定の基本となる強震動予測を行うためには、震源や地下構造を適切にモデル化する必要があり、このモデル化には、多くの地震観測記録や物理探査結果などが用いられる。特に地震観測記録は強震動予測結果の検証にも利用されるなど、利用の幅が広く、精力的に観測が行われている。このように強震動予測は様々な観測記録によって支えられており、その観測記録の特徴を理解することは適切な強震動予測を行うためにも重要である。そこで、本講義では強震動予測を支える様々な観測の例として、強震観測と微動観測を取り上げ、その観測方法やデータの活用方法について解説を行う。

  • 1.強震観測の概要と距離減衰式
  • 2.微動に基づく地下構造モデルの構築

1月21日「SPAC法とCCA法によるRayleigh波の位相速度の比較」

微動記録からRayleigh波の位相速度を抽出する方法として、近年適用例が増えているCCA法と従来から使われているSPAC法があるが、同じ微動アレー観測の記録を両手法で解析することで得られるRayleigh波の位相速度を比較し、CCA法の精度や特徴について検討する。

「K-NET観測点のボーリングデータに基づくS波速度算定式の提案」

地震動予測地図の作成において浅部地盤モデルは対象地域で得られたボーリングデータのN値をS波速度に換算して構築される。この際に利用されるS波速度の算定式には、中央防災会議(2006)や太田・後藤(1978)などがあるが、前者の精度はあまり高くなく、バラツキが大きい。一方、後者は比較的高い精度を有しているが、地域の偏りやデータ数の少なさは否めず、その後飛躍的に増えたデータに対する適用性の検討が十分に行われているわけではない。そこで、本研究では、K-NET観測点のボーリングデータに基づいて既往の算定式の精度を検証するとともに、新しい算定式の提案を行う。

神野達夫非常勤講師集中講義20141120 神野達夫非常勤講師集中講義20141120
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