東日本大震災や阪神・淡路大震災などの地震による大災害は、建築構造物の耐震安全性や都市における地震災害のリスク管理に関する研究の重要性を示しています。当研究室では、先端的技術による建築物の耐震安全性向上と災害に強い都市を目指した論理・実験・観測・調査による研究を幅広く行っています。主な研究テーマの具体的事例を以下に示します。
当研究室では建築物の安全性を構造的な視点だけから研究している訳ではありません。建築物の安全性を脅かす地震の揺れの強さを評価する研究や建築物の集合体である都市全体の安全性を調べる都市災害マネジメントに関する研究も行っています。これらの研究を通して安心・安全な都市、まちづくりに貢献したいと願っています。
ローコストで効率的な新しい耐震補強法を開発し、振動台実験および応答解析により、その耐震安全性を評価する。また、実建物に耐震補強した場合に、補強前と補強後に振動計測を実施してその補強効果を測り、その有効性を検証する。
長周期振動台による実験と解析に基づき、免震構造物が擁壁に衝突したときに構造物に与える影響について明らかにする。
実構造物の地震観測記録から構造物の振動特性を把握し、将来発生が予測される地震による揺れに対する耐震安全性を向上させるための方法について検証する。また、常時微動観測から実構造物が持っている耐震性能を評価できる方法を開発する。